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2016/09/24

午後からみんなで鍋をする予定になっていて、それがひと段落したら二人で抜け出して映画を観に行く予定になって、そうしたら迎えに行くよと言っていただいて、するとモーニングに行こうと誘われた。つまり朝から晩まで一緒にいることになっていた。ヒー。ものすごく楽しみで早起きできた(まあ待ち合わせ30分前の起床なんだけれど)。
いろんな話をして、わたしはやたらとはしゃいでしまって、すごいものは「すごい!」、ぎゃーっとなったのは「ぎゃー!」、ウノのときは「ウノ!」と叫んでいた。セルフのガソリンスタンドで給油をするだけであんなに楽しめる女は彼の周りには多分わたしだけなんじゃないだろうか。ハイオク満タ〜ン!!!
 
話を聞いていると、今まで感じ取ってきた通り彼は中高のスクールカースト上位に居たチャラチャラした男性で、彼のお付き合いしたことのある女性とわたしは正反対のタイプとのことだった。彼の話によると、どうやら世の中の女性の大半はLINEの返信がもっと早く、会いたいと素直に頻繁に伝えるそうだ。ははあ、なるほど、西野カナだな。
わたしは彼がお付き合いしてきた女性とはかけ離れている女らしいのだけれど、わたしが一人で過ごす時間を愛していることを、彼はきちんと(言わなくとも)理解してくれていた。そういうところが良いと思うよと、いつもの60%の声色で言った。力説するでもなく、テキトーに流すでもなく、テンション60%というような、いつもの話し方。少し笑っている。
 
今までのデートとは違って、「この人わたしのことすきなのかな?」と思う瞬間が何度かあった。驚くべきことに。それでもわたしが手放しで「あなたがすき!」とアピールをできないでいるのは、彼が本来そういう人間であるというところだ。女たらしどころか、人たらし。老若男女構わず、みんな彼のことをだいすきになってしまうのだ。
 
映画館の前で、ニッコリ笑っていい匂いがすると言われた。さっきつけ直したところなのできっとオードトワレのことだろうと思ったけれど、笑いながら「キャラメルポップコーン?」と言ってしまった。すぐふざけてしまうのよくない。うけてもらえたけれど、笑ったその後すぐ「君だよ」と言われてしまったので、わたしは俯いてモニョモニョ言うしかなかった。わたしが何て答えたかは覚えていない。
 
レイトショーが終わって25時頃、家の前で降ろしてもらう時、お礼を伝えると腑に落ちない顔をされた。……わたしは、これを知っている。例えば、前の恋人が恋人になる前、彼がやたら無口になってしまったので仕方なく無言で二人でてくてく歩いていたら、別れ際言いにくそうに、「あー、えー、好き」と告白された時。彼の言葉を待っていたら、「明日予定ある?」と言われた。ない、DVDを2本見る予定だと正直に伝えると、「じゃあさ、今からどっか行かない?」とのこと。頭の中にカラオケ(選択肢) / 居酒屋(選択肢) / 25時(状況) / 多分心配して待っているのだろう親の顔(予想)が走馬灯のように駆け抜けていく。実家暮らし箱入りでも遊びたい年頃の女子大生か。二つ返事で頷いてドライブに連れて行ってもらう。つまり朝8時に集合して27時に解散という健康なんだか不健康なんだかわからないデートだった。深夜に三ヶ根スカイラインは通れない。
 
 
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