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2016/05/28〜2016/05/29

これはわたしの見た景色だったかもしれない、これはいつか映画で観た景色だったかもしれない、これはいつかわたしの見た夢の中の景色だったかもしれない、これはいつかわたしが読んだ本の文章から勝手に想像した景色だったかもしれない。彼女の音がない写真は、自分の頭の中にある映像の一瞬に似ている。ここに展示されているものはわたしの記憶なのか誰かの記憶なのかそもそもそんなものはなかったのか。

川内倫子写真展「The rain of blessing」 )

 

縁取られた四角の中が、色彩バランス構図、すべて計算し尽くされた色彩構成のようだった。カラーチップにして並べたらわかりやすく拍手してしまうと思う。インターネットで見てもふうんという感じだったが、ナマで見たらとってもよかったと言い合った美術あるある。遠目で見ても美しいというのはどういうことだ。色もこんなことにしてくれるなら本望だ。生まれ変わったら彼が現像してくれる写真のシアンの点になりたい。

(ライアン・マッギンレー「BODY LOUD!」)

 

渡邊恵太「インタラクションの現象学 人間の輪郭、世界体験の変容」わかりやすく優しい。自分の身体はどこまで自分の身体か?電車の座席で自分のスカートの裾を踏んで座られると不快である。ホルンを抱える時わたしは彼の体積まで考えて角を曲がることができる。他人が道から自宅を覗いてきたら驚く。わたしの身体はどこまでわたしの身体か?

谷口暁彦「私のようなもの、見ることについて」わたしはあの赤いTシャツの男性であり、赤いTシャツの男性の視界にもまたわたしが操作する赤いTシャツの男性が映っている。わざと両視界に入るように動かすと、お互いの視界に同じ赤いTシャツの男性がいるのだ。しかしその一人はわたしなのだ。何を言っているのかわからねーと思うがおれも何を打っているのかわからない……

津田道子「あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。」ぽつぽつと釣り下がっている四角の枠は遠目から見たら現代アートのようだったのに、中に入り込んでみるとそこは素敵迷路だった。親切な女性が「この枠内だけは昨日の設営中の映像、明日にはあなた方がここに映る」と解説してくださって愉快だと思った。けれどしかし「あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。」である、明日誰か知らない人がわたしを見て、しかもそのわたしは昨日のわたしであり、今日のわたしは別のところで別の顔をして別のことをしているのに、昨日のわたしはそんなことも知らずにぼうっとその四角の前で親切な女性の話をふじこちゃんと聞いているのだった。

(オープン・スペース 2016 メディア・コンシャス)

 

こんなものに囲まれなければ生きていけないわたしを許してほしかった。でもこんな許し方では気持ちが悪い。虚勢を張るためだけのあのスペースなら一面植林でもしろッそこの女共「かわいい〜♡」といってクソみたいなクオリティの写真撮ってSNSにあげるだけなら植林活動でもしてろッもう怒ったぞ次回に期待!

(雑貨展)

 

全然わからなかったのに、最後の辺りに易しい展示を持ってきてくださって「わかる!わかるぞ!」とムスカをしてしまった。入場前に「アッ コシノヒロコだ!」と全然関係のないことをおっきい声で叫んでしまったことと、展覧会タイトルの文字がどうやってギジャギジャしていたのかよく見なかったことが悔やまれる。

(MIYAKE ISSEI展:三宅一生の仕事)

 

歴史、身体、性。ドイツ人芸術家は必ずと言っていいほどユダヤ人迫害問題へのメッセージを込めるのに、なぜ日本人芸術家で原爆のメッセージを込める人は少ないのかという先生の話を思い出していた。

百瀬文の映像が一番記憶に残っている。わたしには祖母が二人いるのに、彼女たちはお互いにほとんど会ったことがない、でも確実に彼女たち二人の血を受け継いでいるわたしがいる、そういえばそうなのだ、すごく不思議だ。彼女の言葉がぼろぼろとこぼれていっていつの間にかもう一方の彼女の言葉になっている。わたしは一体誰なのだろう、わたしは一体誰から産まれたのだろう。

西原尚の木製ベルトコンベヤーがギコギコ言いながら黒いゴムの塊を運ぶだけの作品が、一番ぼうっと見ることができて、クソ重たく冗長的な作品が多い中目立っていた。とても良い息抜きになった。彼の意図するところにそれが合っているのかはわかりません。

六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声)

 

込められたメッセージが解りやすい。見た目としてはシンプルで、それでいて人の手が入っている様子のものに、人は安心するのだなあと思った。匂いのつよい作品ばかりを見てきたからなのか、その作風は心地よかった。とってもよかった。駅までの帰り道にデュシャンの話をした。

(青崎伸孝「at the moment」)

 

エレベーター狭くてたのしかった。

園子温展ひそひそ星)

 

以下、たのしかった出来事

・展示会場の入り口がわからなくて外階段で無駄に6階までのぼってまた降りる

・上京した子と合流

・カワイイ女の子に日焼け止めを拾ってもらう

きゃりーぱみゅぱみゅみたいな子で溢れているハラジュクを無課金アバター原文ママ)の二人で歩く

アサイーボウルとか出すようなシャレオツカッフェで松の話をする

・会って早々「Twitterの人がさ……」という話をしてしまう、そもそも現実にあったことをTwitterに書くのが本来の使い方では?

・汗だくでヘトヘトだったので途中コンビニで炭酸水を購入

 

 

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